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ネット規制の動きに新聞協会が意見表明~ジャーナリズムとして多面的、継続的な報道を

 青少年の健全育成を大義名分にしたインターネット規制の法制化の動きに対して、日本新聞協会メディア開発委員会が29日、意見をまとめ、関係国会議員に提出しました。
 日本新聞協会トップ
 「青少年のインターネット利用制限の動き」に関する日本新聞協会メディア開発委員会の意見

 意見の一部を引用して紹介します。
 情報が有害かどうかの判断は、主観的な要素も多く、時代や文化、社会環境によっても異なる。情報の内容を規制あるいは定義する法律は公権力の介入を招きかねず、憲法21条の保障する表現の自由に反する恐れがある。直接と間接を問わず、国がコンテンツの内容にかかわる問題に関与するべきではない。
 青少年のためにインターネット上のコンテンツについて何らかの規制が必要だとしても、果たして法規制が適切な手段なのか疑問である。いったん有害情報が定義されてしまえば、流通・閲覧の制限にとどまらず、表現内容の規制に拡大しかねない。表現にかかわる公的な規制が萎縮効果をもたらし、ネット以外のメディアにも同様の規制が広がることも危惧する。青少年を有害情報から守るための実効性のある手段については民間による自主規制を尊重すべきである。

 論旨は明快と言っていいと思いますし、わたし自身の問題意識とも多くの共通点があります。新聞協会がこのような意見を表明したこと自体は、とても意義深いことだと思います。
 さて、この意見表明を当の新聞が紙面でどう扱ったか、です。けさ(30日)の在京大手紙各紙の朝刊紙面(東京本社最終版)をチェックしたところでは、毎日、読売、産経、東京の各紙は第2社会面ないしは第3社会面でいずれも1段見出し(ベタ)の雑報扱い、朝日、日経の両紙には記事が見当たりませんでした。朝日のサイトには今夜(30日)、記事がアップされていたので、31日付の朝刊に掲載されるのかもしれません。
 この各紙の控え目の扱い、あるいは消極姿勢(掲載なし)は、もしかしたら自らの業界団体の主張だから大きく掲載するには気が引ける、というある種の奥ゆかしさの表れなのかもしれません。しかし、どうもわたしにはそうは思えません。やはり新聞にとって(とりわけ「紙」の担当者にとっては)、ネット規制論議への当事者意識は薄いのだと思います。このことは、かつての個人情報保護法や人権擁護法案に、新聞を含めた直接的な報道規制の条項が盛り込まれた際に、新聞各紙が紙面で繰り広げたキャンペーンを想起すれば分かりやすいと思います。あるいは、新聞の販売面でここ10年以上くすぶり続けている再販見直し問題で、公取委がアクションを起こすたびに新聞各紙が連日、紙面で大きく反論を掲載していたことを思い起こしても明らかだと思います。やはり「新聞は、有害情報があふれているネットとは違う」 との考え方が根強いのではないかと思えてなりません。
 「表現の自由」に照らして大きな問題であることを考えるならば、新聞はネット規制をジャーナリズムの問題としてとらえ、多面的に継続的な報道をしなければならないと考えています。
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by news-worker2 | 2008-05-31 01:43 | 表現の自由