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2008年 10月 10日 ( 1 )

 ノーベル物理学賞の受賞が決まった京都大名誉教授の益川敏英さんへのお祝いメッセージが、京都大学職員組合のホームページに掲載されています。
 益川敏英先生のノーベル物理学賞受賞を心よりお祝い申し上げます
 益川先生は1970年7月に京都大学職員組合に加入されました。ご在職中は、支部書記長などを歴任され、停年でご退職になるまでの永きにわたり組合員としてご活躍されました。

 たまたまなのですが、mixiのマイミクさんの日記をきっかけに、ネットでこんな記事【関連:中山妄言への有力反証】「日教組」の元書記長がノーベル賞をとった!?【blog:土曜の夜、牛と吼える。青瓢箪。】)を見かけて、上記の京都大学職員組合のサイトを見てみました。
 京都大学職員組合は、上部団体として全国大学高専教職員組合(全大教)に加盟しています。全大教のホームページからは発足当時の経緯の詳細は分からないのですが、全大教近畿のサイトには次のような記述があります。
全大教は、1989年10月29日に、当時、日本教職員組合の一専門部としての大学部(略称:日教組大学部)から、自立・独立して結成されました。独立の際には日教組の規約に従って円満に行われました。

 益川さんが京都大学職員組合の支部書記長を務めていたのがいつごろなのか、定かではありません。しかし「『日教組』の元書記長がノーベル賞をとった」と言い切ってしまうかどうかは別としても、事実関係としては、益川さんが日教組傘下の組合員であったことには間違いがないようです。
 わたしはここで、益川さんが日教組の組合員だったことをもって、中山成彬氏の日教組攻撃発言が根拠を欠いている、と強調したいわけではありません。わたしが中山氏の発言を批判する主な理由は、以前のエントリの通りです。加えて、教職員の組合は日教組だけではない、他にも教職員の組合はあるのに、中山氏はことさら日教組だけを取り上げて執拗に批判した、そのことにも大きな違和感を持っています。
 教職員の組合では、京都大学職員組合が加盟する全大教や、1991年に発足した全日本教職員組合(全教)など、80年代後半から90年代はじめにかけて、組合運動の大きな組織再編がありました。背景には、1989年の総評解散と連合全労連の2大ナショナルセンター発足に象徴される日本の労働運動の再編があります。89年前後のこうした組織再編は教職員に限ったことではなく、再編には至らなくても議論自体はどこの産業の労働組合でも多かれ少なかれ経験してきたことです。
 一つの産業分野に複数の労働運動の潮流があり、複数の労働組合が並び立つ状況は、それ自体の善し悪しは別として、それぞれの組合の存在はやはり憲法で保障された労働3権、あるいは結社の自由の具現化であり、最大限に尊重されるべきです。近年は、非正規雇用の人たちの個人加盟のユニオンなどの活動も活発で、到底「労働組合」のひと言でひとくくりにはできません。
 中山氏の発言に話を戻すと、日教組に対して「批判」を超えて「解体」「ぶっ壊す」とまで口にしたこと、「日教組の強い地域」と「学力」との相関の薄弱さに加え、教職員の組合は他にもあるのになぜ日教組を「がん」とまで言い切るのか、理解に苦しみます。中山氏は既に次の衆院選での不出馬を表明しましたが、発言を取り消したわけではありません。彼のような国会議員が現に存在することを忘れずに覚えておきたいと思います。

 中山氏の発言を批判した以前のエントリに、3人の方からコメントをいただきました。その際のレスにも書きましたが、今回のエントリも、日教組を擁護することが本旨ではありません。
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by news-worker2 | 2008-10-10 04:51 | 労働運動